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スペインの救済案は、なぜ市場に評価されなかったのか?

2012年8月6日

Spain’s bail-out Insuficiente
Why the rescue plan for Spain is not enough

THE ECONOMIST (2012.6.16)

  今回のスペインの銀行救済案が市場の回復につながらなかった原因について書かれた英エコノミストのコラムです。    実際、救済案が公表されて数時間で市場は失望感を示す動きになりました。

 このコラムでは救済案が十分でなかった要因を分析しています。

 今回の救済スキームは約1年前に同じ内容が公表されていれば効果があったはずであり、この1年の間にスペインの不動産バブルが崩壊したこと、銀行の不良債権問題が続いたこととが投資家の信頼を失ったとしています。

 信頼を失ったことを示す現象として、この数カ月にスペインから資本が海外へ流出が加速していることをあげられます。

 信頼を失った要因には次の2つがあるとしています。

 一つめとして、投資家は、スペイン経済が弱体化しており、銀行が弱くなり国家財政が悪化することに懸念を抱いていること。

 二つめとして、投資家がスペインが属している単一通貨ユーロ体制それ自体に信頼を失っていること。

 ここで述べられたふたつの観点は、救済案が十分でなかったことにもつながるとしています。

 総じて今回のスペインの銀行救済案は、小さ過ぎて一つめの心配を和らげることができないうえ、2番目の要因にはまったく対応していないからです。

 なぜそれがうまくいかないのか。まず銀行と国家予算に目を向けます。今回の救済案は銀行システムに直接ファンドを注入するというより、スペイン政府に資金を貸しつけているのと同等です。

 その金額はスペインのGDPの10%に匹敵する水準です。さらにお金がESM(欧州安定メカニズム)から注入されば、EUの恒常的な救済ファンドが通常の同じ条件の国債となるため、スペイン政府の調達コストが上昇することで支払い能力に懸念が生じることになります。

 ギリシャの選挙が17日に予定されます。もしギリシャ救済の条件が拒否されることにつながれば、ギリシャはユーロをすぐに離脱することになります。

 ギリシャの離脱は、スペインの将来への不安へつながるだけでなく、イタリアの将来への不安にもつながります。その証拠に先週のイタリア国債の利回りが、ギリシャ離脱が伝播することへの懸念から急騰しました。    二つめの不安を恐れる理由は、単一通貨ユーロ自体の信頼が欠如していることがより鮮明になることです。

 これまでのドイツのように個別の国が、別の国を救済することには限界があります。そのためユーロ全体のシステムの改革が必要となるでしょう。

 ユーロには、所属各国に財政規律を求める財務省的な機能はあるものの、中央銀行的な機能がないことも指摘されてきました。

 ちなみにECB(ヨーロッパ中央銀行)は、欧州全体のための中央銀行であり、EURO加盟国のためだけの機関ではありません。    それにしても最近慣れてきたとはいえ、遠くヨーロッパで起こっているマーケットの振幅が、広くグローバルを越え日本に波及している大きさに驚きます。

From → 金融

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