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最近の大雪警報(天気予報)から考えたリスクリテラシー(リスク対応力)

2013年2月18日

最近、個人のリスクリテラシー(確率統計の知識を含めたリスク対応力)を向上させる方法にどのようなものがあるかを考えるようになった。基本的にはリスクにゼロはないことを前提とすることである。その上で確率統計の知識と個人のリスクリテラシーを結び付ける具体的事例を探していた。

一般的なリスクとは、人が何かをおこなった場合、その行為にともなって(あるいは行為しないことによって)将来被る損害(damage)の大きさとその確率を掛け合わせたもの(リスク=損害の大きさ×確率)と定義できる。損害の大きさには、生命にかかわるものも含まれる。

そこから一般的なリスク管理を考えると、損害の程度の減少(人々が危険に曝されることを減らし)と、損害を被る確率を減少(対応能力を増やす)させることが目標となる。

最近の天気予報の事例からリスク情報(天気予報)を判断して行動する場合のリスクリテラシー(リスク対応力)について考えてみたい。確率的に考えることが対応力を増やすことにつながる。

「成人式の日」(2013年1月14日)の天気予報は、気象庁が警戒を呼び掛けたレベル「あまり積もらない」だったにもかかわらず、お昼過ぎから都内の降雪量が数センチと大雪となった。そのため交通が混乱したことは記憶に新しい。

一方、2013年2月6日の天気予報は、「夜から雪が降るため警戒すべき」と呼びかけたが、現実は予想したほどの量ではなかった。猪瀬東京都知事は自信のツイッターで予測が外れた件について次のように発言している。「(気象庁は)成人の日に外れたので過剰に見積もった。多めに先読みすれば、責任逃れができる姿勢が、もし3度目にあったら責任を追及する。狼少年は許されない。」と述べている。

都知事はオオカミ少年との言葉を使っているが、これは伝統的な比喩である。オオカミが来ると何度も叫ぶ少年がいたが、オオカミは来なかったため信頼を失い、ほんとうのオオカミが来た時に誰からも信用されなかった事例である。これは統計学で取り扱う「第1種の過誤」とよばれる、起こるとしていたことが起こらなかった場合のエラーの拡張である。

成人式のときは、大雪警報が出ていなかったにもかかわらず大雪となり交通が混乱した。これはブラックスワンの比喩に対応する。起こらないとしていたにもかかわらず起こってしまう「第2種の過誤」と呼ばれるエラーの拡張である。

今回の事例でリスクリテラシーとしての対応力と考えられることは、成人式の時に起こることを軽く見積もった予測は、2月6日の天気予報が起こることを重く見積もり過ぎている予測、である可能性をある程度想定しておくことにある。

気象庁が意図的に大雪予報を意図的に作っていたとしても、中立的に予測していたとしても、両方に通じる考え方である。このリスクを一種のモデルリスクとよびたい。

通常は1月14日(成人式)と2月7日の天気は統計的に独立事象であるが、同じ予測方式(モデル)をとっている以上、直近に発生した結果と予測とのズレを反映させることにより行動を修正するバランスが必要となる。

ここでは何を基準にバランスをとるのかがポイントとなる。企業等ではコスト(費用)のバランスによりリスク管理を決める。起きるとして常に準備していたのでは、コストがかかりすぎる。一方、起きないとしていたのに致命的な事象が発生してしまえば、コストがかかる。

バランスのとり方のもう一つ別の視点は、生命にかかわる場合には起こる(生命を守る)方向へバランスを傾けておくことである。もし予測がはずれた場合に、自分の生命がどれくらい危険にさらされるかを判断することが大切である。

From → リスク管理

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