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人事部門の採用プロセスはコンピュータソフトを利用することで効率化する?

米国の転職活動の状況について書かれたウォールストリートジャーナルのコラムです。

Software Raises Bar for Hiring from THE WALLSTREET JOURNAL (2012.5.31)
(http://online.wsj.com/article/SB10001424052702304821304577436172660988042.html)

内容からは日本の新卒一括採用の状況と類似していると感じました。

コラムの中でとりあげている例は、ひとつのエンジニアのポジションに25000人もの応募があり、自動的にデータを絞り込むソフトを使ったら一人も残らなかったというものです。

原因は、募集しているポジションの名前と申請された25000人の直近のポジションのテキスト文字列が一致しなかったから、という冗談のような理由です。

現在利用されている採用のためのソフトとは、この程度のレベルなのです。会社勤めした経験からすると履歴書のデータだけでは、本当に適格かどうかを判断するのは難しいと感じます。それにもかかわらずテキスト文字列のみで絞り込むというのは信じがたいところです。

今回のケースでは、スクリーニングに一人も残らなかったおかげでコンピュータソフトにバグがあることが発見できました。もし数人でも残った人がいたらソフトは使い続けられていたのです。

逆に一つのポジションに25000もの応募があったとしたら、縮小されたあとの人事部門はどう対応することができるのでしょうか。やはり、コンピュータソフトは利用しないまでも、共通の属性データを使ってスクリーニングする(絞り込む)ことになると思います。

仕事を見つけることは、結婚のパートナーを探すのに似ているところがあります。履歴書のみでは、本人と会社との相性が合うかどうかを判断するのは難しいのです。 ある企業に勤務することは、その仕事に必要なスキルだけでなく、その企業に入社したことにより初めてわかる「暗黙知」を学ぶことが必要となります。

採用とは、その「暗黙知」(あるいは企業カルチャーと呼んでもよいかもしれませんが)に採用される人が合うか、合わないかを判断することに、つきるのです。

日本の企業が中途採用よりも新卒採用に力をいれる理由は、グローバルな標準的スキルは入社してから身につければよく、知識のない新卒に企業カルチャーを理解してもらうことを優先しているから、と理解できます。

最近は、ES(エントリーシート)の記入法、面接のノウハウをおしえてくれるビジネスがあることに驚きます。同時に、自分を受け入れてもらいやすい状況に努力して適応させることができる学生を認めることも大切なのだろう、と考える今日この頃です。

幸福度は、笑顔から測ることができるのか?

ハーバード大学、MIT(マサチューセッツ工科大学)が位置するボストン地域でのイノベーションの話題を提供するローカルサイトに紹介されたニュースです。(BostInno (2012.5.29) )

http://bostinno.com/all-series/is-mits-media-lab-creating-the-worlds-happiness-barometer-video/

今回とりあげている記事は、MIT(マサチューセッツ工科大学)メディア・ラボが開発した「ムード・メーター」と呼ばれるシステムです。

ニュース記事の最初に掲示された大きなスクリーンの写真は、人々の顔の部分に色のついたマスクが表示された画像です。これはスクリーンに映った自分たちを見ている映像なのです。

黄色のマスクは笑っていない普通の表情、緑は笑っている表情です。左端にある幸福度(Happiness)のバロメーターは映像に映し出された人々の平均的な幸福度の水準を指数化しています。

記事によると「ムード・メーター」は2011年4月にMITの150周年記念の一部として大学のイベントのムードをモニターすることを目的に最初に設置されました。

カメラは「メディア・ラボ」の人通りの多い、いくつかの場所に設置されていますが、これまでのところ録画されてはいないとのことです。

もともとのプロジェクトの意図は、笑顔が周りの環境(人々)にどのように影響するのかにあります。具体的には「晴れの天気が人々を幸福に導くか?」です。

MIT「メディア・ラボ」は、最近の研究でストレスがかかったときの「無理な笑顔」と「純粋な笑顔」のちがいについての研究を公表しています。

表情の映像をコンピュータを利用して分析するのですが、ストレスの笑顔と純粋な笑顔をアルゴリズにより判別するというものです。

外国人の友人(特に米国、あるいは米国系の企業に勤めている)と一緒にいると知らない人とすれ違っても笑顔をつくることを心がけていることがわかります。日本だと相手によって目を見ること、笑いかけることは、危険を伴います。

外国人の場合、つくり笑いがほとんどでしょうが、それが自分の安全を守るひとつの手段であり、コミュニケーションのきっかけになるとを知っているのです

ギリシャのユーロ離脱への思惑から波及したスペインの銀行での取り付け騒ぎ(備忘録)

スペインマドリッド在住の独立系リポーターが2012年5月に投稿した記事です。
GARP (Global Association of Risk Professionals) (2012.5.17) by DANIEL WOOLLS
(http://www.garp.org/risk-news-and-resources/risk-headlines/story.aspx?newsid=46806)

 スペインの銀行で取り付けが発生しているとの内容です。しかもそれはギリシャのユーロ離脱への思惑が波及していると見ています。

 記事によればバンキア銀行(スペイン)の不良債権は総預金額の約4分の1とのことです。この銀行はスペインの国内4番手であり、前週に国有化されたばかりでした。

 スペインの銀行セクターは、不動産市場のバブル崩壊と資金調達ルールが厳しくなったことから安定に対する懸念が増加しきていると見られます。

 それにしても国有化すれば預金は国が守ることになるにもかかわらず、預金を引き出すとは、国に対する国民の信頼が揺らいでいる現れともみえます。

 ギリシャの銀行では、すでに預金が引き出されています。一番の理由はギリシャの通貨がユーロからドラクマへ戻ることで預金価値が大幅に減少して(ほとんど無価値(ゼロ)になる)しまうからです。

 ギリシャの再選挙の結果によっては、ギリシャがユーロから離脱する可能性が高まります。スペインの預金者は、その影響を先読みしているのです。

 記事の中では、欧州の銀行セクターの株式が売られ株価が下落していることを伝えています。

 ところで最近、日本の不動産業の若手(30代)経営者と話をする機会がありました。彼とその業界仲間(若手)たちの関心はすでに、日本が財政破綻した後にどう自分達が生き残るかに向いているとのことでした。

 彼らの同年代の人の中には、できるだけ早く破綻させて欲しいと考えている人がいることがわかりました。破綻しても彼らの年代への影響は限定されると思っているのです。

 しかしながら、ほんとうに国家破綻した影響は限定されるのでしょうか。財政破綻した時に国民一人ひとりに何が起こるのか、これは起こってみて初めてわかることでしょう。

 どのような混乱が発生することになるのか、ギリシャ、スペインは国家破綻した場合のひとつのモデルケースとして遠い極東の地から見ておきたいところです。  

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投資対象としての大学(院)教育

Why College Isn’t for Everyone (Bloomberg Businessweek (2012.04.09))

大学教育に支払ったコスト(授業料、機会コスト等)は、将来得られる収入をリターンとして測った投資先として有効なのか、と問うコラムです。

筆者によれば、回答はNOです。すべての人にとって、必ずしも有効とは言い切れないとのこと。

ここでいう機会コストとは、大学に在籍した同じ期間、仮に仕事をしていたとした場合に得られる所得です。つまり大学に在籍することは、在籍中に支払うすべてのコストと、その間に得られるはずだったレベニューの合計になります。

本コラムの筆者は、すべての人にとって(投資のリターンを求めて大学へ行くことが米国では)必ずしも正しい判断ではない、と結論する根拠として4つのポイントを示しています。

1.大学へ進学した時点ですでにフィルターがかけられており、仕事ができる人たちのグループだった確率が高い。そのため大学を卒業したことと所得水準は無関係である。

2.途中で大学を退学する人も多い。そのグループの人々は大学卒業としてカウントされず高校卒業のグループに所属することになる。そのグループと大学卒業者を比較すると必ずしも所得に差があるとはいえない。

3.単に大学を卒業したことによる所得差というのは平均的な違いであり、大学内の学部による差は一層大きい。

4.大学を卒業した大部分の人が就いている職種は、大学で学んだ内容とはほとんど無関係な経営、技術、専門分野である、ことから大学教育が将来の職業に役立っているとはいえない。。

日本ではどのように考えることができるのでしょう。雑誌の特集に高校別の大学進学先、社長の多い大学、役に立つ大学などの見出しが多いのは、大学教育に対する期待(幻想)が大きいからとみられます。

金融の世界にいた人間として、教育にかかるコストからみた投資先の分析手法は、よく理解できます。しかし日本の大学(院)教育に部分的に関わっている目からみると違和感があるもの事実です。

大学教育は、人間としての価値を高めるための投資であり、直接お金の見返りを目的としたものではありません(これも幻想かもしれませんが)。つまり単純な市場競争原理により構成された世界観とは異なるのです。

大学教育を通じて自分の価値をいくらかでも高めることが主目的であり、卒業後にその個人の価値に対して支払われる、なにがしかのお金を受け取ることが副次的な目的です。所得の高低は個人の能力に依存する尺度なのです。

逆にみると、日本の大学教育の現場は市場競争原理があまり効いていないこともあり、大学教員の得られる収入は米国(最近では、香港、シンガポール、中国)などと比べるとかなり低水準です。

将来結婚したいと話す独身の女性たちと時々話をして耳にするのは、結婚相手の条件です。その女性達にとっての結婚とは、投資のひとつの形態かもしれません。

著名大学を卒業したイケメン、有名な企業、省庁に勤務している男性が必要条件という人が少なくないのです。フィルターをかけているのでしょうが、それは確率的に良い投資先を絞り込んだにすぎず、100%正解ではないと知っておくことが大事です。

結婚とは、結局相手との相性であり、コミュニケーション能力が(特に日本では)一番大切な価値の中のひとつであることを知った方が良いでしょう。(おせっかいながら)、大部分のキャリアを金融の世界で過ごし生業を得ていた人間からの言葉として理解していただければありがたいです。

スペインの救済案は、なぜ市場に評価されなかったのか?

Spain’s bail-out Insuficiente
Why the rescue plan for Spain is not enough

THE ECONOMIST (2012.6.16)

  今回のスペインの銀行救済案が市場の回復につながらなかった原因について書かれた英エコノミストのコラムです。    実際、救済案が公表されて数時間で市場は失望感を示す動きになりました。

 このコラムでは救済案が十分でなかった要因を分析しています。

 今回の救済スキームは約1年前に同じ内容が公表されていれば効果があったはずであり、この1年の間にスペインの不動産バブルが崩壊したこと、銀行の不良債権問題が続いたこととが投資家の信頼を失ったとしています。

 信頼を失ったことを示す現象として、この数カ月にスペインから資本が海外へ流出が加速していることをあげられます。

 信頼を失った要因には次の2つがあるとしています。

 一つめとして、投資家は、スペイン経済が弱体化しており、銀行が弱くなり国家財政が悪化することに懸念を抱いていること。

 二つめとして、投資家がスペインが属している単一通貨ユーロ体制それ自体に信頼を失っていること。

 ここで述べられたふたつの観点は、救済案が十分でなかったことにもつながるとしています。

 総じて今回のスペインの銀行救済案は、小さ過ぎて一つめの心配を和らげることができないうえ、2番目の要因にはまったく対応していないからです。

 なぜそれがうまくいかないのか。まず銀行と国家予算に目を向けます。今回の救済案は銀行システムに直接ファンドを注入するというより、スペイン政府に資金を貸しつけているのと同等です。

 その金額はスペインのGDPの10%に匹敵する水準です。さらにお金がESM(欧州安定メカニズム)から注入されば、EUの恒常的な救済ファンドが通常の同じ条件の国債となるため、スペイン政府の調達コストが上昇することで支払い能力に懸念が生じることになります。

 ギリシャの選挙が17日に予定されます。もしギリシャ救済の条件が拒否されることにつながれば、ギリシャはユーロをすぐに離脱することになります。

 ギリシャの離脱は、スペインの将来への不安へつながるだけでなく、イタリアの将来への不安にもつながります。その証拠に先週のイタリア国債の利回りが、ギリシャ離脱が伝播することへの懸念から急騰しました。    二つめの不安を恐れる理由は、単一通貨ユーロ自体の信頼が欠如していることがより鮮明になることです。

 これまでのドイツのように個別の国が、別の国を救済することには限界があります。そのためユーロ全体のシステムの改革が必要となるでしょう。

 ユーロには、所属各国に財政規律を求める財務省的な機能はあるものの、中央銀行的な機能がないことも指摘されてきました。

 ちなみにECB(ヨーロッパ中央銀行)は、欧州全体のための中央銀行であり、EURO加盟国のためだけの機関ではありません。    それにしても最近慣れてきたとはいえ、遠くヨーロッパで起こっているマーケットの振幅が、広くグローバルを越え日本に波及している大きさに驚きます。

赤字削減が国にとっての最重要課題と、わかってはいるものの…

「デイリーチャート(Daily chart)」という名前の英エコノミストのコラム欄です。グラフを示しながら財政状況の概要についてコメントしています。

 今回取り扱われている話題は、政府予算の支出と収入の毎年の収支バランスが黒字なのか、赤字なのかを長期、短期で国ごとに比較しています。

 この話題が取り上げられるのは、最近実施されたヨーロッパの選挙結果にあります。フランスの大統領選挙、ギリシャの国政選挙など緊縮財政に反対する意志を表明して立候補した側が勝利しました。

 グラフは財政収支(平均)の対GDP比率を小さい順番に上からならべています(タテ軸)。そのため上のグラフ(34年間)と下のグラフ(17年間)で両方に登場している国と片方のみに登場している国があります。

 例えばフランスは、過去34年間(上のグラフ)では上から2番目に名前があがっていますが、過去17年間(下のグラフ)では対GDP比率が黒字になっている(緊縮財政が功を奏したのか)ため名前があがっていません。

 逆にギリシャは、過去34年間(上のグラフ)では名前があがっていませんが、過去17年間(下のグラフ)になると一番上に名前が登場します。

 グラフのひとつの見方ですが、上のグラフに名前がなく、下のグラフに名前がある国が財政が急激に悪化した国とみることができ、また両方に名前がある国は、長期、短期の両方で赤字が続いている国といえます。

 韓国は両方のグラフに名前がありますが、日本との違いは財政収支(平均)の対GDP比率が両方のグラフでプラスとなっているところです。

 日本は、両方のグラフに名前が登場しますが、長期間(上のグラフ)では黒字の年があったものの、短期間(下のグラフ)になると赤字のみになりました。

 特に短期間(下のグラフ)をみてギリシャの次に日本の名前があるところに、世界が日本の財政状況をどうみているのかとの参考指標になると考えます。

 このグラフを見る限り、景気が良いときも、悪い時と同じように支出の拡大がグローバルの各国で続いていると理解できるのです。

ギリシャのユーロ離脱への思惑から波及したスペインの銀行での取り付け騒ぎ(201205)

“Spanish bank hit by report of withdrawals”

GARP (Global Association of Risk Professionals) (2012.5.17) by DANIEL WOOLLS

(スペインの銀行が危ないという情報が広く伝わる前に投稿されたニュース。これに続いてギリシャに続きスペインを通じたユーロ財政危機が再燃した。)

スペインマドリッド在住の独立系リポーターが投稿した記事です。

 スペインの銀行で取り付けが発生しているとの内容です。しかもそれはギリシャのユーロ離脱への思惑が波及していると見ています。

 記事によればバンキア銀行の不良債権は総預金額の約4分の1とのことです。この銀行はスペインの国内4番手であり、先週国有化されたばかりでした。

 スペインの銀行セクターは、不動産市場のバブル崩壊と資金調達ルールが厳しくなったことにより安定への懸念が増加しきていると見られます。

 それにしても国有化すれば預金は国が守ることになるにもかかわらず、預金を引き出すとは、国に対する国民の信頼が揺らいでいる現れともいえます。

 ギリシャの銀行では、すでに預金が引き出されています。一番の理由はギリシャの通貨がユーロからドラクマへ戻ることで預金価値が大幅に減少して(ほとんど無価値ゼロになる)しまうからです。

 ギリシャの再選挙の結果によっては、ギリシャがユーロから離脱する可能性が高まります。スペインの預金者は、その影響を先読みしているのです。

 記事の中では、欧州の銀行セクターの株式が売られ株価が下落していることを伝えています。

 ところで最近、日本の不動産業の若手(30代)経営者と話をする機会がありました。彼とその業界仲間たちの関心はすでに、日本が財政破綻した後にどう自分達が生き残るかに向いているとのことです。

 彼らの同年代の人の中には、できるだけ早く破綻させて欲しいと考えている人がいることもわかりました。破綻しても彼らの年代への影響は限定されると思っているのです。

 ほんとうに国家破綻した影響は限定されるのでしょうか。財政破綻した時に国民一人ひとりに何が起こるのか、これは起こってみて初めてわかることです。

 どのような混乱が発生することになるのか、ギリシャ、スペインは国家破綻した場合のひとつのモデルケースとして見ておきたいところです。